『松阪豚』とは

肉質

豚肉は牛肉、鶏肉よりも蛋白質を多く含み、コレステロールは低いのが特長です。
また糖分の吸収をたすけ、神経の伝達作用に影響のあるといわれるビタミンB1が牛肉の約13倍という優れた栄養価を持っています。
『山越畜産 松阪豚プレミアム』は、高い栄養価はもちろん、シマリのある肉質で色は淡い灰紅色、まっ白な脂肪は高くも低くもない絶妙な融点の、まさに理想の豚肉です。
肉は桜色、脂肪はつきたてのもちに例えられる。松阪豚プレミアム最大の特徴は脂身ですが、その組成は油脂分30%、コラーゲンをなんと70%も含んでいます。
 そして一般的に、赤みの肉は約75%が水分なので焼くと縮むものですが、『松阪豚プレミアム』は縮んで固くならず、しっとりした肉質となめらかな脂質をキープします。
茹でても灰汁がほとんど出ず、焼いても煙が少ないのも大きな特徴。
これらひとつひとつが、きわめて良質な肉質、脂質であることを証明しています。
 生体をひと目見ただけで部位ごとの肉のつき方やサシの入り方までわかってしまうという、山越さん。

「うちの豚はどこを食べても同じ美味しさ。大人の男性なら750グラムくらいはいけますわ。それでも酵素の働きで消化がいいから、すぐに腹が減りますよ(笑)」
そんな自慢の豚の、ここでは部位別の味わいをご紹介します。

■ロース

ヒレと並ぶ最上の部位。
赤身には細かくサシが入り肉はやわらか、カルシウム分を多く含みます。
★ とんかつやポークソテー、流行のトンテキなどにどうぞ。

■バラ

多層になった脂身は融点が低いため、とろけるような口当たり。
臭みもなく最高の肉・脂のバランスです。
★角煮に最適、また薄くスライスしてしゃぶしゃぶに。

■ヒレ

1頭から約1kgしか取れない貴重な部位。
鉄分、ビタミンB1を多く含み、脂身が少なくあっさりとした味わいです。
★ヒレかつはしっとり、パサパサにならず絶品です。

■肩ロース

通常はやや筋が多く、しつこさを感じることもある部位ですが、旨みが強い肉とクセのない脂を堪能できます。
★ローストポークやしょうが焼きに、唐揚げや酢豚にもぴったり!

■モモ

肉質モモとは思えないやわらかさ、キメの細かい肉質。
『松阪豚プレミアム』のモモは、サシが入った脂肪があり食感はもっちり。
★焼豚はもちろん、モモしゃぶは大のお薦め!(山越さん談)

■ショルダー

しっかりとしまった肉質が楽しめる部位。
煮込めば旨みとやわらかさが絶品です。
★カレーやシチューなど煮込み料理に好適ですが、ソテーも旨い!

ロースブロック バラブロック
ヒレ ショルダー
  
モモ  

 

流通

最上の肉だから、最終的な品質管理、流通段階にも当然こだわりが求められます。
飼育開始から出荷まで、一頭一頭の個体識別情報にもとづき、出生地から最終飼育場所まで山越畜産の豚舎で育ったこと、品種や誕生日、ワクチン接種や餌の内容・成分まで、すべてがデータ管理されています。
そして出荷され三重県松阪食肉公社で検査を受け屠畜、枝肉から各部位となった後、各地へと配送。
皆様に本物の美味しさをお届しています。

こだわりのポイント1

屠畜前の24〜30時間は水だけを与え、安静な環境にしております。
そうする事で、毛細血管が切れて血液が肉の細胞に侵入することを防いでいます。
血液は、肉の味、臭いの大敵、臭みのないフレッシュな肉にする為の工程です。

こだわりのポイント2

枝肉となった後は、丸一日冷却され、安定させた後の翌日、部位別に解体します。
冷蔵庫で二週間は保存可能です。
届いた日から美味しくお召し上がり頂けますが、一週間ほど熟成させたタイミングがベストな食べ頃です。

環境

昭和42年、一頭の豚の飼育からスタートして以来、改良を重ねつづけ今年から本格的に流通を開始したのが、『山越畜産 松阪豚プレミアム』
効率重視の経営には目もくれず、膨大な手間と時間をかける飼育環境は、一般の養豚場のものとはまったく異なるものです。
「豚がキレイでしょ。ストレスがないからみんなおとなしい。豚の生理、習性を考えた豚舎です。ストレスがかかると肉に血が入り肉質が悪化する。ストレスが味の一番の敵ですわ」
と、山越さん。
豚はみな汚れもなく、たしかに豚舎特有の臭いもありません。
基本的に、豚舎の窓は解放されております。
豚はもともと温度差にデリケートな動物ですが、山越氏は『豚自体が強い』からあえて昼夜や季節ごとに温度差がある、自然に近い環境にしております。
夏は自然な風、冬は床暖房で快適な温度を保っている。
つねに清潔な床で暮らしているため体に汚れがつかない豚は、免疫力が高くストレスフリー、つまり心身ともに健康で、性格もみな穏やかになります。
(豚が騒がずおとなしいから、豚舎の雰囲気はとてものんびりとしてます。)
適度な脂のノリでキメが細かい、臭いのない肉をつくるために、試行錯誤を重ねて出来上がった飼育環境です。

もうひとつ、三重県松阪市という土地そのものの影響も見逃せません。
鈴鹿・大台山系の地下水をはじめ、山も川も豊富な自然環境のおかげでよい豚が育ちます。
「やっぱり水。なだらかな山系の広葉樹の葉っぱが、養分をたっぷり含んだ腐葉土になる。そのミネラルをたっぷり含んだ地下水がいいんですわ」
と、山越氏は分析する。
ちなみに、松阪牛のブランド力にあやかろうと、別の土地でまったく同じ方法、同じ血統の仔牛で育てても、肉質はまったく違うものになると言われております。
松阪豚』もやはり、ここ松阪でしか生まれないわけだ。

 

豚舎の様子

交配

『松阪豚プレミアム』の品種は、きれいなサシ(霜降り)が入る三元豚。
ランドレース(L)種と大ヨークシャー(W)種を交配した母豚(LW二元交配豚)にデュロック種(D)の雄種豚をかけ合わせ、LWD三元交配豚ができる。
それぞれの種類の持つ発育性や肉質の良さといった特長を引き出すわけだが、山越氏はひとこと「選抜の歴史」という。

何代もかけ合わせを重ね、淘汰を繰り返すことでやっと理想的な豚になります。
国際基準での候補豚選考後、数代にわたりなんと約半数(!)に淘汰した結果です。
肉が固い、色が悪い、臭いがあるといった肉質、部位ごとの肉付きのバランス、免疫力や産子能力など、いくつもの厳しい条件を科し、淘汰していきます。
心血を注いで育てた豚を淘汰するのは涙が溢れ出るような行為だが、悪い遺伝子を排除するためには必要な「歴史」でした。
一般的に重視される母豚だけでなく、よい種豚を見抜く眼も重要だという。
自家生産の優れた母豚と繁殖力が高く雌にやさしい種豚。その理想的な組み合わせは、たやすくできるものではありません。
そして現在は七代目。肉質が安定してきて、ようやく納得のいく品質になりました。
「いいもの×いいもの でかけ合わせていくとどんどんよくなっていく。夫婦とも優秀なもん同士から、親よりも出来のええ子が生まれるみたいなもの、理屈は動物も人も一緒ですわ(笑)」
と、山越氏。
ハイブリッドという効率重視の養豚が世界的に全盛の中、山越畜産では、その真逆をいく経営をとっております。
豚の選抜眼はもとより、生体を見ただけでロースの脂の付き具合までわかるという山越氏だが、一頭一頭耳に品番をつけて個体識別管理・分析も常時行っております。
感や経験に頼るところが大きい交配技術とともに、蓄積された膨大なデータと分析眼も、じつは山越氏のもうひとつの財産である。

 

 

飼料

豚の味を決定づける脂質は、餌の影響が大きいです。
いかに早く、いかに少ない餌で作るか?というビジネス効率優先の昨今、安くてエネルギー効率の高いとうもろこしや油脂類ばかり食べさせるのが一般的ですが、「豚の健康は食品としての安全性にもつながります。
その為、原穀中心のナチュラルな餌に徹底的にこだわる」。というのが、山越氏独自の餌に対する考え方です。
食物蛋白のマイロ麦と大豆を多く使用し、免疫を高め、腸の働きを活性化させる乳酸菌と酵母を配合したオリジナルの飼料を開発しました。
この量産型ではない、高コスト・高栄養価な餌と共に、抗生物質は免疫力が弱い幼少期にワクチンを少量投与するのみとしております。
その後は、一切の薬剤を投与いたしません。
成長とともに自然と免疫力は高まるものなので、元気で健康な豚を育てるためには、その方がいいと考えます。
そしてよい餌を食べ大切に育てられた豚は、理想とされる細雪のように細かい脂肪のサシが入った、しまりのあるさくら色の肉になります。
豚はおよそ115〜120kgになると出荷されますが、
「130〜170日で出荷できるハイブリッドと違い、本来の成熟度を考えると、ここでは出荷まで230日はかかりますわ」
山越畜産では、餌の質はもちろん、ゆっくりと時間をかけることで、適度な脂肪のバランスのとれた肉質に仕上げております。
飼育費用は当然余計にかかりますが、肉質向上の為に、妥協はしておりません。
さらに、最終的には、およそ3〜4割の豚をプレミアムの規格外としているという徹底ぶり。
屠畜後の肉の選別というプロセスもまた、山越畜産のこだわりです。
最後に、
「ゆくゆくはこの肉を学校給食で子どもたちに食べさせたい」
と、山越氏。
高度成長期に約270,000件あった養豚農家、現在は6,000件ほど、経営の厳しさは想像に難くありません。
スーパーの店頭には安い輸入品も多く並んでおります。
そんな中、本物の豚肉の美味しさを“日常の食卓”に提供していくというのが、山越畜産の養豚の本当のゴールと考えております。